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時事戯言 第002回

電話破壊の巻


 携帯電話が壊れてしまった。テレビの上にちょっとの間だけ置いていたのだが、そのすきに犬にガブガブと喰われてしまった。全くとぼけた顔しやがってヌケヌケとこのアマがっ!ひぃひぃいわしたるぞコラァ!

 ビンゴ(メス)は僕が口を押さえてしかると、ひんひん言って反省した(かどうかは実際のところはわからないけれど)。

 とりあえず壊れてしまったものは仕方がないので、新しいのを買うことにする。やったぞ新しいのはいいことだ。ビバ消費社会。

 バイクで少し行ったところに大型電気量販店がある。駐車場には「安い」ということをしきりにはためかせたのぼりがうるさいぐらい立っている。しかし残念なことに、その店は安さよりもむしろ店員がムカツクことで有名だった。

 店員が売り物のテレビに寄りかかって大相撲を見ていたっていい。だって千秋楽だったもんね。客がいないからって、レジで

「ああ俺、うん今大丈夫?平気?河口湖だろ」

 そんな私用電話をかけてたっていい。だって河口湖大好きだもんね。でも、客の質問にたいして、テレビにひじをつきながら

「そんなものはない」

とだけ言って再び野球中継に熱中するのはコントだよ。拡張子が『〜.接客』じゃなくて『〜.コント』になっているよ。

 携帯電話売り場は3階のパソコンフロアに併設されている。閑散とした店内でもそこだけは賑わいをみせている。派遣社員と思われる女子が青いブルゾンで動き回っているのが見える。女子の方は忙しそうだったので、その奥にいた同じ青いジャンパーを着た背格好が小倉ひさひろ似のおじさんに声をかけた。

 すると、小倉ひさひろは明かに怪訝そうな顔をして、およそ客商売をしている人間とは思えない不安そうな顔で対応したのだ。客が挙動不審なのは要注意だが、店員がそうなのはそれ以上に注意が必要だ。またしてもムカツク店員が発見できた。結局、手の空いた女子の方に話をふることで問題は解決したのだけど、一体なんなのだろうあの店は。

 僕がパソコンをやるような時代なのだから、きっとインターネットはノリノリなのだろう。インターネットがノリノリになったので、実際の店舗に足を向けなくても、安い値段でめぼしの物を買うことができるようになった。

 価格コムのような比較サイトで調べて、通販で購入することが今よりも日常になれば、実際の店舗が値段で勝負するのは正直言って厳しい。商品を手にとってから買うこと、その安心感がどれほど大切かは接客にかかっている。商品は物(本体)だけが商品ではなく、客は総合して購入するか判断するのだから、インターネットでは不可能なサービスを店舗は展開すればいい。インターネットでドライに買い物が可能だからこそ、逆に実際の店舗にもその反対の需要が生まれるのではないだろうか。

 そういうことからすれば、あのお店にも厳しい時代が来るのかもしれない。個人的にはもっともっとムカツク体験をしたいのだけど。例えば、みんなゲームボーイに熱中しているとか、昼になるとフロアにだれもいなくなるとかそういうのが体験したい。まっ、そういう需要もあるにはある。



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