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映画戯言 第002回

ビフォア・ザ・レイン


 実は外国の映画はあまり好きじゃない。もちろん(モチのロン)いい映画だってたくさんあるし(むしろ日本映画より多い)、好きな映画だってたくさんある。でも やっぱりダメだ。何がダメって字幕がダメ。でも吹き替えがいいとも思えない。とかいいつつ、他の人があんまりにも外国映画ばかりに目がいってるものだから、ついつい「そんなことないさ」と言いたくなっているだけの気もする。

 日本では外国語の映画は字幕で楽しむのが一般的だが、これが国が違うとそうでもない(たぶんそうだった気がする)。たしかドイツなんかでは吹き替えが映画館で上 映されているはずだ(たぶん)。

 とりあえず言っておこう。

 字幕には弊害がある。文字にしてしまうと、言葉にどうしても重みが出てしまい、重い内容を軽い言葉で表現するとか、そういうニュアンスが伝わらない。流してしてまっていい言葉でも、ニュアンスが大きく変わってきてしまうのはやっぱり厳しい。そういう意味では吹き替えだってそうなのだが、言葉が音として伝わる分ちょっとましだろう。ま、どちらにしても伝わるためには見る側に土壌ができていなければならないので、うまいこといかない。とかいいつつ、おもしろいとそんなことも気にならなかったりする。そんなもんでもあるのだ。

 物語は3部構成で連なっていて、マケドニアとかセルビアとかあの辺りのゴタゴタした民族対立が濃く描かれている。当然ながら物語はズッシリしていて、全体に漂 う低いトーンにかなりヤラれる。おかげでションベン臭い蒙古班野郎の僕なんかは、その対立の愚かさに頭に渦巻く「なんなんだ!?」の気持ちでアムロ・レイよろしくである。

 さてこの作品、よくある戦争や紛争の悲劇をなぞるタイプの作品とはちょっと違っているのだ。映画ユーザーとしてそうした映画を受け付けない人も多いだろうし、ドキュメントチックなものはちょっと、と思う人も多いことだろう。しかし、そういう人たちにもこの映画を味わって欲しい。この映画、何がいいってリズムが絶妙なのである。

 映画で音楽が流れるように映像もメロディーを持っている。これが秀逸な映像はクソつまんないようなドキュメントであっても客をガンガン引っ張っていく。しかもこのミルチョ・マンチェフスキーという監督、名前だけでもツッコミどころばかりだが、そればかりでなくなんとデビュー作というから驚く。こんなのばかり作られたら他の奴らはとてもかなわないだろうけど、そううまくいかないのがおもしろいところではある。やっぱスゴイのはスゴイぐらいスゴイのね。



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